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ゆるくだらだらとその日思考を書き殴ってます。 たまに痛い発言や小話が飛び出すこともあり。コメントはご自由にどうぞ。



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幽霊は水辺に集まりやすいらしい。







結局、綾図は大学の授業1講目を自主休講する羽目となり、出たのは昼過ぎだった。
親友にメールをすると今から学食に行くとのことだったので、食堂で落ち合う流れとなった。


綾図達の通う大学には北と南に食堂が存在し、南の方がメニューが豊富なのと新設されたとあって人が多く、昼休みともなれば坩堝と化す。共に人ごみを嫌う傾向を持つ二人は大概北側を利用していた。人っ気の少なく、どういう申請で生き残っているのか謎である。味はそこそこで量は多い。値段は安いので質より量な学生には重宝されている。
殆ど葉桜となった構内の桜の影を縫い、人の流れとは逆に歩いていった。



勿論、行きかう女の子達の物色も忘れずに。






相変わらず、持参した弁当(重箱)を食す親友は綾図の話を聞きながら、ふうんと曖昧な相槌を打った。


「別に切れなくはないと思う」


普段はコンタクトだが、今日は眼との愛称が悪いらしく眼鏡だった。
よく見れば黒ではなく、深い瑠璃色を宿す瞳を本人は嫌っているが、密かに綾図は気に入っていたりする。


「ホンマかいな、堯羽」

「憶測だけど。だってその気になれば綾図は思念だって切れるだろ」


親友の名前は柊堯羽(ひいらぎたかは)。
危険度の低さから登録のみで監視も無くごく普通の生活を許されている水を操(く)る『欠落者』。
と、いうのはあくまで表向きの話である。


賽と『欠落者』に関しては執行管理部でも行き着いていないであろう知恵を保有していて、綾図は大方堯羽にその知恵を借りることが多い。実際、万能に見える綾図の賽の欠点に一番最初に気づいたのも彼だ。



(ホンマとんだ化け狐やわ)


本当に怖いのは賽の大きさではなく、その賽の特性を熟知し、手足のように扱える者だ。
彼は否定するだろうが、今でも本気で対峙した時、彼には負ける気がする。もっとも、あの性悪の執行管理の長は堯羽の本性に薄々勘付いていそうだが。黙って放置している『振り』をしている所に達が悪さが見て取れる。


「もっとも、綾図が幽霊か人間か、きっちり認識しないと無理だけど」

「『揺らぎ』ねえ・・・その境がわからんねんな」


堯羽が云う綾図の賽の弱点。
認識の揺らぎによる、切断不可。綾図の中で、あやふやに認識されているものは、切れない。


「まあ、今回は簡単なんじゃないか?透けたら幽霊、触れたら人間」


背もそんなに高くなく、がりがりというに相応しい体型であるのに、何処に収まるのかひょいひょいと重箱の中身が消えていく。ちなみに綾図も重箱の中身を食べてはいるが、元々食が細いので大半は彼の胃に収まっているということとなる。


「水場っていうチョイスが、何ともあのオッサンくさいよなあ」


水場―――堯羽の支配領域ともいうべき場所。


「水場に幽霊は集まりやすいっていうしな」

「堯羽って結構オカルト好きやったりするん?結構知ってるよな」

「大晦日の大掃除の時に智羽の本棚整理してたらあったんだよ、なんかそういうの」


大掃除している堯羽をなんとなく想像できた。
柊家は彼なくしては存続できない。冗談ではなく、家事は全て彼がまかなっているのだから。



「なあ。ちょっと今日の夜、バイトせえへん?」


強請るように、厭らしい猫撫で声で。
はあ、と肩で大袈裟にため息をする彼を見て、自然と口元が弧を描いた。






>>>>>>>>>



気持ち悪い文章ですみません。綾図が女々しすぎて男前にせなと思う今日この頃。












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